予定外のICU入室

Patient Characteristics and Clinical and Economic Outcomes Associated with Unplanned Medical and Surgical Intensive Care Unit Admissions: A Retrospective Analysis

Khanna AK, Moucharite MA, Benefield PJ, Kaw R. Patient Characteristics and Clinical and Economic Outcomes Associated with Unplanned Medical and Surgical Intensive Care Unit Admissions: A Retrospective Analysis. Clinicoecon Outcomes Res. 2023 Sep 25;15:703-719. doi: 10.2147/CEOR.S424759. PMID: 37780944; PMCID: PMC10541084.

要旨
目的
予定外の集中治療室(ICU)入室に関連する内科的および外科的患者の特徴、ならびに臨床的および経済的転帰を明らかにすること。

患者と方法
本解析は、米国(US)入院患者の25%から非識別化データを収集するPINC AITM Healthcare Databaseを利用したレトロスペクティブなマッチドコホート解析である。2021年の内科的および外科的入院について退院記録を評価した。予定外のICU入室は、内科、外科、遠隔治療室からICUへの直接転室と定義した。無計画ICU入院を行った患者と行わなかった患者を1対1の傾向スコアでマッチさせた。無計画ICU入院の有無による患者間の差は、連続尺度には2標本のt検定、カテゴリー尺度にはカイ二乗検定を用いて評価した。

結果
合計3,807,124例の適格入院が同定された。予定外のICU転室を伴う医療入院は、緊急/救急である可能性が高く(オッズ比[OR]2.9、95%信頼区間[CI 2.7-3.0]、p<0.0001)、患者の特徴として男性(1.4、[1.4-1.4]、p<0.0001)、肥満(1.7、[1.6-1.7]、p<0.0001)、Charlson Comorbidity Indexの上昇(CCI=1:1.8、[1.8-1.9]、p<0.0001;CCI≧5:3.2、[3.1-3.3]、p<0.0001)などであった。予定外のICU転室を伴う外科的入院は、緊急性/緊急性が高く(3.1、[2.9-3.2]、p<0.0001)、CCIが高い患者(2.5、[2.3-2.6]、p<0.0001~CCI≧5(7.9、[7.4-8.4]、p<0.0001)であった。マッチさせた内科患者間の入院期間、費用、死亡率の平均差は、それぞれ4.1日(p<0.0001)、13,424ドル(p<0.0001)、21%(p<0.0001)であった。マッチさせた外科患者間では、これらの転帰の平均差はそれぞれ6.4日(p<0.0001)、21,448ドル(p<0.0001)、14%(p<0.0001)であった。

結論
併存疾患の負担が大きい患者における救急医療は、予定外のICU入院につながる可能性が高く、死亡率、入院期間の延長、費用の増加の可能性が有意に高くなる。ICU外での患者のケアとモニタリングを改善することは、病態生理の変化を早期に発見し、早期の介入を可能にする可能性がある。

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