Early intramuscular adrenaline administration is associated with improved survival from out-of-hospital cardiac arrest
Published:June 08, 2024DOI:https://doi.org/10.1016/j.resuscitation.2024.110266
抽象
アドレナリンの早期投与は、院外心停止(OHCA)後の生存率向上に関連しています。しかし、血管アクセスの遅れはアドレナリンの迅速な投与を妨げる可能性があります。血管アクセス前にアドレナリンを投与する新しい方法は、生存率をさらに高める可能性があります。本研究の目的は、標準的な静脈内(IV)または骨髄内(IO)アドレナリンに続く初回筋肉内(IM)アドレナリン投与が、OHCA後の生存率向上に関連しているかどうかを調査することです。
方法と研究デザイン
成人OHCA患者に対する早期初回IMアドレナリンEMSプロトコルの導入前後を比較する研究を行いました。介入前の期間は2010年1月から2019年10月まで、介入後の期間は2019年11月から2024年5月までとしました。
設定
都市部の単一施設で、2層のEMSエージェンシーが実施されました。
参加者
アドレナリン使用の基準を満たす成人の非外傷性OHCA患者が対象です。
介入
初回に5mgのIMアドレナリンを単回投与しました。その後のIVまたはIOアドレナリンを含む他のケアは国際的なガイドラインに従いました。
主な成果と評価項目
主要評価項目は退院までの生存率でした。副次的な評価項目には、EMS到着からアドレナリン初回投与までの時間、生存から入院までの時間、および退院時の良好な神経機能が含まれました。
結果
1405件のOHCAのうち、420件(29.9%)がIMアドレナリンを受け、985件(70.1%)が通常のケアを受けました。52人の患者は介入後にIVまたはIO経路で初回アドレナリンを投与され、標準ケアグループに含まれました。IMアドレナリン群では年齢が若く、目撃者によるCPRの実施率が高かったものの、他の特性はIM群と標準ケア群で類似していました。アドレナリン投与までの時間はIM群で短く、中央値は4.3分(IQR 3.0-6.0)対7.8分(IQR 5.8-10.4)でした。標準ケアと比較して、IMアドレナリンは入院生存率(37.1%対31.6%; aOR 1.37, 95%CI 1.06-1.77)、病院生存率(11.0%対7.0%; aOR 1.73, 95%CI 1.10-2.71)、および退院時の良好な神経学的状態(9.8%対6.2%; aOR 1.72, 95%CI 1.07-2.76)の改善に関連していました。
結論
この単一施設の前後比較研究において、標準ケアに加えた初期IMアドレナリン投与は、入院生存率、退院までの生存率、および機能的生存率の向上に関連していました。OHCAにおけるIMアドレナリン投与の潜在的な利点を完全に評価するには、ランダム化比較試験が必要です。